Human Life CORD JAPAN

企業理念へその緒が紡ぐ未来 
対談 02

社員とともに、多くの関係者とともに、再生医療の未来へ。

木村情報技術株式会社 代表取締役 木村 隆夫氏

ヒューマンライフコードを起業するにあたり背中を押してくださった木村情報技術株式会社 代表取締役の木村隆夫氏。
同じ経営者として、大事にしていることや、社員に対する想いなど、代表の原田がお話を伺いました。

原田:木村社長とは10年ほど前、共通の知人を介してご紹介いただいたことが出会いのきっかけだったと思います。率直に第一印象はいかがでしたでしょうか?木村:確か最初は、シンバイオ製薬にウェブ講演会の売り込みに行ったと記憶しています。原田社長はイケメンでご略歴もすばらしく、やり手な営業・マーケティング本部長という感じで、どういうことを話せばいいんだろうという印象から始まりました。後々にお人柄もわかってきて、お付き合いさせていただくことになりましたが、最初はそんな印象でした。原田:そこから2年後に起業を決意したわけですが、木村社長には起業することを打ち明けて、アドバイスをいただきましたね。木村:相談があると言われて、何だろうと思ってお会いしたら起業したい、と。あの時、真剣にいろいろなことを聞いてこられたので真面目に答えたつもりですが、原田社長の心の中では既に決意されているのが感じとれたので、ちょっとだけ背中を押させていただきました。終わったあとに一緒に写真を撮ったことは、今でも鮮明に覚えています。原田:起業経験もない中ではありましたが、とにかくこの捨てられている臍帯から救える患者さんがいる、という想い一つで起業しました。今のヒューマンライフコードがあるのは、木村社長にあの時ご助言いただき、背中を押していただいたからと言っても過言ではありません。本当に感謝しています。
おかげ様で創業からこれまで、さまざまな共感が共感を呼んで、ここまでやって来ました。事業上はうまくいっているようにも見えるかもしれませんが、事業が進めば進むほど、組織的な課題も浮き彫りになり、創業社長としてゼロスタートからの壮絶な苦労も今となっては良い経験となっています。

木村:確か、起業されて2年か3年くらいした時に、悩みを相談された時がありましたね。原田:はい。あの時、木村社長が夢に出てきたんです(笑)。シード段階では、外向けにヒューマンライフコードを知っていただき、私の志に共感いただき、資金を集めて事業を進めることに集中していましたが、それでも全く見向きもされなった2年間を過ごしました。振り返ってみると、内向き(社内)のコミュニケーションが疎かになっておりましたので、誤解のないコミュニケーションのあり方についてご助言いただきました。
我々も6周年を迎え、製品化まであと一歩というところまできていますが、一方で組織的な課題は今も抱えております。木村社長もおひとりから始められて、ここまで大きな会社に育ててこられるには、社員の皆様に対する気遣いなどご苦労も相当あったと思います。その辺りを改めてお聞かせいただけますでしょうか?

木村:私は、自分がやりたいことを実現させるために会社を作りました。しかしそこを自分にだけではなく、仲間である社員にも何か還元しなければならないと思っています。自分が自分がとか、会社が会社が、というようなことを言っていたら社員はついてこないので、社員第一主義を唱えています。利益が出たら還元し、給料も上げて、働きやすい環境を作っていく。そして、教育や次のステップに向かっての資本投下もしていきたいと思いながらやってきて、現在社員は400人にまでなりました。社員旅行や忘年会などをするにしても相当の人数が動きますが、みんなで一緒にワイワイガヤガヤするということを一番私がしたかったことなのかもしれません。そういうことをしながら社員との関係を保っているような気がします。
福利厚生を厚くしていく取り組みもあって、それは私自身の楽しみでもあります。社員を大切にしたり、社員の想いをくみ取ったり、会社のメッセージを伝えるというコミュニケーションが社内にも大切で、という話を確かあの時もさせていただきましたね。やはり壁にぶち当たったときに、解決方法はアナログ的なコミュニケーションになってくると思います。

原田:まさに社員第一に考えていらっしゃる素晴らしいお取組みです。私は、木村社長の「感謝」という言葉にとても刺激を受けております。私も事業を推進する熱量の部分と創薬を担うという命を救う創薬産業においては誠の部分を大事にしています。我々はみなさんに生かされて、みなさんの共感を得て、資本を得て、それで事業を展開できている。常に支えていただいているステークホルダー全員に対して感謝の気持ちをもって、授かった恩をお返しする。社員には常々、私が大切にしている「報恩謝徳」という言葉を伝えています。木村:当社は企業理念として、「人に喜ばれることをしていこう」「感謝と和合」を掲げています。ステークホルダーの皆さんに喜んでいただくことで会社が存続できる。そして、和を大切にするというのは、長い時間を共にする社員が幸せに気持ちよく仕事ができるように、お互い感謝の念をもって、和を大切にしていきましょうという想いです。私はそのことを徹底して朝礼で伝えています。そこが社員のみならず、企業というものは人のご縁で成り立っていますので、ご縁をいただいた方に常に感謝の念をもつことにもつながってくると思っています。原田:当社は創薬型のバイオベンチャーで、製品化するまでにはそれなりの資本が必要になってきます。経営における一つの資金調達の手段として上場がありますが、当社も製品化と共に世の中から信頼される会社になろうと上場を見据えて準備をしています。木村社長は、これまでに上場については考えてこられなかったのでしょうか?木村:これまでは何度も「上場する」と社内外に言っていましたが、今は上場しようという強い思いは薄れてきています。上場するときのメリットはいくつかありますが、今は上場しなくてもそれが満たされているので。逆に今は、それが何かしらの足かせになってしまう可能性もあるので、もう少しこのままやっていこうと思っています。ただ、強い筋肉質の会社にしたり、多くの方に周知して理解していただいたりという意味では上場は非常に有効ですので、研究開発型の御社のような会社においては、上場は適しているのではないかと思います。原田:最後に一言、当社の社員に対してエールをいただけますでしょうか?木村:原田社長は、非常に真面目で嘘がない方だと思います。その方が熱い想いを持ってこの会社を立ち上げて、患者さんのため、人々のために役立つようなものを今創り上げているということは、本当に素晴らしいことだと思います。その会社で皆さんが働けるということは非常に幸せだと思います。原田社長を信じて、新しい細胞製品の可能性を広げていくことで、人に喜ばれるような仕事が今後ますますできるようになるのだと思いますので、原田社長を支えてがんばっていただきたいと思います。

トップページへ戻る