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名古屋大学との共同研究成果を学会で発表
~臍帯由来間葉系細胞を用いたサルコペニア治療の可能性~

 ヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都中央区、以下「当社」)は、2023年9月30日(土)にKDDI維新ホールで開催された、第5回日本再生医療とリハビリテーション学会大会にて、「名古屋大学大学院医学系研究科・ヒューマンライフコード応用細胞医療学講座」での研究成果に基づき、ポスター発表のセッションで、「サルコペニアモデル動物を用いた臍帯由来間葉系細胞及び運動療法による治療効果の検証」と題した口頭発表を行いました。当日、発表内容について、ご参加の研究者の方々と臍帯由来間葉系細胞の特長、それを生かしたサルコペニアの新しい治療方法の開発可能性について、活発な意見交換が行われました。
 
   
 
【演題・発表者】
演題: サルコペニアモデル動物を用いた臍帯由来間葉系細胞及び運動療法による治療効果の検証
発表者:人見一寛1), 黄 哲2)3),原田 雅充1) 2),山田眞路1), 葛谷 雅文4) 5),成 憲武2) 6)
1) ヒューマンライフコード株式会社
2) 名古屋大学大学院医学系研究科 ヒューマンライフコード応用細胞医療学講座
3) 産業医科大学医学部神経内科学講座
4) 名鉄病院
5) 名古屋大学未来社会創造機構
6) 延邉大学附属病院循環器内科
 
【発表内容】
 サルコペニアは加齢に伴う筋萎縮ならびに筋力低下または身体機能の低下を伴う病態と定義され、筋線維数及び筋線維サイズの減少、筋収縮スピードの遅延化といった運動機能の低下を特徴とする疾患です。2016年に国際疾病分類に「サルコペニア」が登録され、現在では疾患として位置付けられています。サルコペニアに対する治療法は、高齢者の健康を考えるうえで重要である一方で、未だ十分なエビデンスのある治療選択肢が存在しません。
 
 そこで、本研究では、未だ有効な治療法が存在しないサルコペニアに対する、ヒト臍帯由来間葉系細胞(Umbilical Cord-derived Mesenchymal Stromal Cells:UC-MSCs)および運動負荷による治療効果の解明を目的として、サルコペニアのモデル動物の一つである老化促進マウス(Senescence-Accelerated Mouse prone 10: SAMP10)を用いた検討を行いました。
 
 SAMP10にUC-MSCsを尾静脈から投与したUC-MSCs投与群では、4週間おきに握力ならびに持久力の測定を行いました。運動負荷を与えた群では、週に3回トレッドミルトレーニングを行い、UC-MSCs投与群と同様に4週間おきに握力ならびに持久力の測定を行いました。その結果、コントロール群と比較しUC-MSCs投与群および運動負荷を与えた群、併用群において有意に握力・持久力が向上しており、運動機能の改善が認められました。
 
 さらに、各群において採取した骨格筋を用い解析を行った結果、UC-MSCs投与群および運動負荷を与えた群、併用群において骨格筋重量の増加、炎症の抑制、細胞死の減少、ミトコンドリアの機能改善等が認められました。
 
 以上の結果より、UC-MSCs投与、運動負荷のいずれも、SAMP10の骨格筋の炎症や細胞死を抑制し、骨格筋機能低下を抑制することが示唆されました。
 
 今後さらなる検討を重ねることで、UC-MSCsや運動療法がサルコペニアに対する有効な治療法となることが期待されます。
 
【プレス資料PDF】名古屋大学との共同研究成果を学会で発表
 

<本件に関するお問い合わせ先>
広報担当 林
E-mail: info@humanlifecord.com / TEL: 080-4671-0405
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