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新型コロナウイルス感染症の重症患者に対する第Ⅰ相臨床試験結果に関する学会発表について

 ヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都中央区、以下「当社」)が行った、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)に伴う急性呼吸窮迫症候群(以下、「ARDS」)を対象とした臍帯由来間葉系細胞を用いた第Ⅰ相臨床試験の結果が、2023年4月28日(金)、第97回日本感染症学会学術総会で発表されました。
 

 
【演題・発表者】
演 題:急性呼吸窮迫症候群を合併した新型コロナウイルス感染症に対する臍帯由来間葉系細胞輸注療法の
安全性及び探索的有効性について
発表者:がん・感染症センター東京都立駒込病院 感染症科 福島 一彰
 
【発表内容】
 新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の発生から3年が経過し、ワクチンや治療薬の開発によりその予後は改善しているものの、COVID-19によるARDSは、いまだ致死率の高い重篤な疾患であり、より有効な治療方法の確立が望まれています。
 
 本臨床試験では、ARDSを発症したCOVID-19の患者さんに治験製品として臍帯由来間葉系細胞を投与し、臨床評価を行いました。
 
 その結果、治験製品投与と関連のある有害事象の発現は認められず、COVID-19によるARDSに対する臍帯由来間葉系細胞投与の安全性が示唆されました。有効性については、治験製品の投与を受けた全例でおおむね良好な臨床経過が観察されたものの、本試験では評価された症例数が限られていることから、さらなる知見の蓄積による検討が必要と考えられます。
 
 当社の代表取締役社長兼CEOの原田雅充は、次のように述べています。
「まずはこの治験にご協力くださった患者さん、治験責任医師、及び医療従事者の皆様の熱意とご支援に心から感謝申し上げます。本治験は令和2年度 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(2次公募)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」の採択課題として、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)のご支援のもと実施いたしました。この治験が開始された時点では、SARS-COV-2 ワクチンのみならず治療薬が手探りの状況で普及しておらず、医療従事者の方々が COVID-19 重症患者さんの治療や治験に関わる処置を行うにあたり様々なリスクがありました。そのような状況にもかかわらず、関わる全ての皆様の“新たな治療の選択肢を”との想いが一つにつながり、患者さんはこの治験に参加することを希望なさいました。本学会にてこの良好な治験結果を報告できたことを嬉しく思います。」
 
※ARDSとは、様々な原因によって生じる重症の呼吸不全症候群。ARDSの原因には、肺炎、敗血症、外傷などがあり、体内では血液中の好中球と呼ばれる免疫細胞から肺の組織を傷つける酵素が放出され、肺にある小さな空気の袋(肺胞)や毛細血管を傷つけるため、血液中の水分やタンパク質が肺の血管を通り抜け、肺胞の中へにじみ出ることがあります。その結果、肺胞に水分などがたまり、重度の呼吸不全を起こします。新型コロナウイルス感染症(COVID-19) においてもARDSが発症し、呼吸不全に至ることがあります。
 
【プレス資料PDF】新型コロナウイルス感染症の重症患者に対する 第Ⅰ相臨床試験結果に関する学会発表について
 

<本件に関するお問い合わせ先>
広報担当 林
E-mail: info@humanlifecord.com / TEL: 080-4671-0405
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