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お知らせ

COVID-19に伴う急性呼吸窮迫症候群に対する臍帯由来間葉系細胞輸注療法の治験届を提出

 ヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都千代田区、以下「当社」)は、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に伴う急性呼吸窮迫症候群(以下、ARDS)に対する臍帯由来間葉系細胞輸注療法に関し、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、PMDA)へ本日、治験計画届書を提出いたしましたので、お知らせいたします。
 
 なお、本治験は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)が公募した、令和2年度 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進事業「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」に採択されております。
 
【背景】
 COVID-19で重症となりお亡くなりになった方の多くは、ARDSが原因だと報告されています(※1※2)。日本全体の COVID-19 の重症患者は減少傾向(※3)にありますが、第2波が来る可能性は専門家の間で現実的な懸念であり、そのような事態に備える必要があります。このような状況から、COVID-19の重症患者 に対する治療方法の確立は、引き続き日本のみならず世界的にも重要なテーマです。
 
 また、COVID-19の重症患者には、ウィルスによって生じる過剰炎症(サイトカインストーム)を抑えられない症状があることが明らかにされています(※4)。
 
 当社が開発する臍帯由来間葉系細胞輸注療法は、COVID-19の重症患者に対し、抗炎症効果による過剰炎症を抑制することのみならず、組織修復効果による呼吸機能の回復に貢献することを見込んでいます。海外では、重症患者に対する治療法として、臍帯および臍帯血由来の間葉系細胞を用いた治療効果が複数報告されていますが、いずれも治療法として確立するには至っていません。当社は、世界に先駆けて臍帯由来の本治療法を確立すべく、この度、第一段階として主に安全性を確認するための第Ⅰ相試験を実施することとしました。
 
※1 Zhou F, et al. Lancet. 2020 Mar 11. pii: S0140-6736(20)30566-3
※2 Wu C , et al. JAMA Intern Med. 2020 Mar 13. doi: 10.1001
※3日本COVID-19対策ECMOnet(https://crisis.ecmonet.jp/
※4日本医師会 COVID-19有識者会議(https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1968
 
【臍帯由来間葉系細胞輸注療法について】
 本治験は、COVID-19を原因疾患とする「急性呼吸窮迫症候群」ARDS患者に対する安全性及び有効性を確認するものです。今後は、PMDAによる治験計画届書の14日間の調査が終了したのち、治験実施施設での治験審査委員会による審査および各施設との契約を経て、被験者の募集を開始します。
 本治験は公的事業の性質も併せ持つこととなるため、治験の進捗及び結果につきましては、AMEDと連携し、適宜開示してまいります。
 
【当社の取り組み】
 当社は、東京大学医科学研究所の長村登紀子准教授の研究に基づく臍帯由来間葉系細胞の製法・品質管理技術及びノウハウの技術移管(疾患分野限定型の独占かつグローバルのライセンス契約)を東京大学より受けています。既に過剰炎症(サイトカインストーム)を病態とする急性移植片対宿主病(GVHD ※5)を対象にした医師主導の第Ⅰ相試験にて安全性が確認されており、今後は当社主導の試験を予定しております。
 
※5 移植片対宿主病(GVHD)とは、造血幹細胞移植後にドナー(提供する方)由来のリンパ球がレシピエント(受ける側の患者)の体を自分ではないとみなして攻撃することにより過剰炎症(サイトカインストーム)が起こる移植後の合併症です。主に皮膚や肝臓、消化管が標的として攻撃され、それぞれ皮疹、肝障害による黄疸、下痢・腹痛を引き起こします。

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