~へその緒からの細胞を用いた世界初の試み~
世界に先駆けて臍帯由来の間葉系間質細胞を再生医療等製品として実用化を目指すヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都中央区、以下「当社」)は、造血幹細胞移植後の非感染性肺合併症(以下「NIPCs」)に対する臍帯由来間葉系間質細胞(以下「HLC-001」)の輸注療法による第Ⅱ相試験(以下「本試験」)の結果が、国際学術誌「International Journal of Hematology」に採択され、2025年7月16日にオンライン公開されたことをお知らせいたします。
本試験については、2023年11月2日付で「造血幹細胞移植後の非感染性肺合併症に対する HLC-001 第Ⅱ相試験の主要評価項目を達成」として公表しており、今回の論文掲載は、その臨床的成果と学術的意義が国際的にも評価されたことを示すものです。
本試験は、造血幹細胞移植後に発症するNIPCsのうち、既存の標準治療であるステロイド療法に抵抗性を示す特発性肺炎症候群(以下「IPS」)の患者さんを対象に、HLC-001の有効性および安全性を探索的に評価することを目的に日本国内の複数施設で実施されました。主要評価項目である56日後の生存率は71.4%(5/7例)を達成し、これは従来報告されている既存治療(推定生存率24.5%)を上回る結果となりました。さらに、100日後の生存率も維持され、多くの患者さんでステロイド投与量の低減や酸素療法の必要性が軽減されるなど、症状が改善されました。
また、安全性についても、重大な副作用は認められず、投与に関連すると考えられる有害事象は管理可能な範囲にとどまりました。これらの結果は、HLC-001がIPSに対する新たな治療選択肢となる可能性を示唆するものです。
IPSは、造血幹細胞移植後の致死的合併症のひとつであり、特にステロイド抵抗例に対する有効な治療法は確立されていません。本試験結果は、再生医療による治療の可能性を学術的に裏付けるものであり、今後の治療開発における重要なステップといえます。
本件について、当社の執行役員 最高科学責任者(CSO)の山田眞路は次のようにコメントしています。
「本試験にご参加いただいた患者様とご家族の皆様、ならびに高い専門性と献身的なご協力を賜った医師・医療従事者の皆様に、心より感謝申し上げます。得られた成果は、造血幹細胞移植後の深刻な合併症に対する新たな治療選択肢の可能性を示すものであり、今後の医療に貢献できる礎になると確信しております。へその緒から始まる命のきずなを一人ひとりの未来につなぐため、私たちは引き続き革新的な医療の実現に取り組んでまいります。」
当社は今後、本試験結果をもとに、医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を進め、IPSに対する臍帯由来間葉系間質細胞を用いた細胞医療の実用化を目指すとともに、さらなる希少疾患領域への応用に向けた取り組みも加速してまいります。
【論文情報】
・掲載誌:International Journal of Hematology
・論文タイトル:Intravenous umbilical cord-derived mesenchymal stromal cell therapy may improve overall survival in Japanese patients with idiopathic pneumonia syndrome after hematopoietic stem cell transplantation: a multicenter, single-arm, phase II trial
・共著者:Noriko Doki・Nobuharu Fujii・Shinichi Kako・Emiko Sakaida・Yoshinobu Kanda
・URL:https://doi.org/10.1007/s12185-025-04024-x
【プレス資料PDF】NIPCsに対する第Ⅱ相試験結果が国際学術誌に掲載