-東京科学大学との共同研究成果を第54回日本臨床免疫学会総会で発表-
世界に先駆けて、臍帯由来間葉系間質細胞(以下「UC-MSCs」)の再生医療等製品としての実用化と普及を目指すヒューマンライフコード株式会社(代表取締役社長:原田 雅充、所在地:東京都中央区、以下「当社」)は、東京科学大学 膠原病・リウマチ内科とともに設置したジョイントリサーチ講座「生涯免疫医療実装講座」(設置期間:2024年7月1日から2025年6月30日)において実施した特発性炎症性筋疾患に関する研究について、その成果が東京都内で開催された第54回日本臨床免疫学会総会において、同大学の梅澤 夏佳先生により発表されたことをお知らせいたします。
本研究は、2023年4月より東京医科歯科大学(現・東京科学大学)と当社が共同で実施した研究であり、in vitro(細胞を用いた試験)およびin vivo(生体内)自己免疫疾患モデルにおけるUC-MSCsの有効性評価を目的として行われました。
■背景
特発性炎症性筋疾患は、筋力低下や筋組織の炎症を主な特徴とし、筋肉以外にも皮膚、関節、肺、消化管、心臓のさまざまな臓器に症状が現れることがある自己免疫性の疾患群です。特発性炎症性筋疾患は、希少疾患ですが、発症率と有病率は、年齢、性別、地域によって異なります。現在、炎症の軽減、筋力の回復、他の臓器の損傷の予防を目的に、高用量のステロイドが第一選択治療とされ、多くの場合、免疫抑制剤と併用されていますが、副作用の負担や再発するケースも少なくなく、新たな治療法の開発が求められています。
■発表内容
本研究では、UC-MSCsの免疫抑制作用をin vitroの評価において、フィトヘマグルチニン-L(PHA-L)による非特異的な刺激に伴うT細胞のIL-2プロモーター活性の上昇、および特定の抗原を認識する遺伝子改変マウス由来CD8陽性T細胞の抗原刺激による増殖に対して、UC-MSCsは有意な抑制作用を示しました。
また、抗原特異的T細胞による筋管細胞への傷害を、あらかじめ細胞に取り込ませた蛍光物質の放出量を指標として評価したところ、UC-MSCsは筋管細胞の傷害を抑制しました。
さらに、ヒトの多発性筋炎の病態を反映するC蛋白誘導性筋炎モデルマウスを用いたin vivoの評価では、UC-MSCsの投与により、筋組織の炎症・傷害の程度が有意に改善し、炎症に関わる免疫細胞の浸潤も減少しました。
東京科学大学 医歯学総合研究科 膠原病・リウマチ内科分野教授で共同研究者でもある保田晋助先生は、以下のように述べています。
「特発性炎症性筋疾患の治療はこれまでステロイドや免疫抑制薬に頼らざるを得ず、再発も多い疾患ですが、UC-MSCsがもつ抗炎症作用は、特発性炎症性筋疾患においても治療効果を発揮することが想定され、ステロイド減量効果や再発予防効果、また患者のQOLを改善する手助けになる事が期待されます。」
【学会発表概要】
■今後の展望
本研究で得られた知見をもとに、当社は特発性炎症性筋疾患をはじめとする難治性自己免疫疾患に対するUC-MSCsの治療応用の可能性について、さらなる検討を進めてまいります。今後も、臍帯由来細胞治療の研究開発を通じて、これらの難治性疾患に対する新たな治療選択肢を届けることを目指してまいります。
【プレス資料PDF】臍帯由来間葉系間質細胞による筋炎抑制効果を前臨床研究で確認